Naoki Ishikawa “STREETS ARE MINE” Exhibition

© SUO
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「STREETS ARE MINE」

写真家石川直樹がコロナ禍の以前のように自由に移動ができなくなってしまった状況において、新たなる旅を求め、自身にとって身近な場所を再発見していく過程で撮影された写真の展示であった。石川にとって身近な場所である、自宅でのカメラオブスキュラ、渋谷の街で撮影されたおびただしい数の写真群は、1枚1枚が興味深いものであることは言わずもがなであるが、何よりもコロナ禍という異例の状況下で撮影された写真群が発する内向きであるが、同時に既知の世界の外側へ向かう解放性、そして撮影時の彼の身体性が色濃く現れたものであると感じられた。

曰く、「シャッターを押すタイミングは自分の心が反応したとき」であるとのことであるが、写真展では撮影された写真だけではなく、石川の身体性やその時の心の動きを追体験するかのような鑑賞の方法がふさわしいと感じた。コロナ禍において私たち全員がある一定期間ステイホームを余儀なくされるという稀有な体験を共有した訳であるが、石川が自宅や渋谷で行っていた身近に潜む世界の発見を渇望したように、私たちの多くは動きを封じられた状況の中でも自分なりの未知の世界への好奇心を同じく持っていたに違いないと信じていたからだ。

本展は、まるでカメラオブスキュラのそれのようなとても小さな開口部から暗室に入り、そして、街のような偶発性と出会う。人間の活動量が縮小した街は生態系のバランスが変化したことによってその様相も変化し、ネズミやカラスなどの動物と私たち人間がそもそも街という地形を共有していたという事実を自覚させる。まるで石川が体験した視点のような、ネズミなどの動物としての視点のような、そんな見方で街という地形を体験し、広がる風景を体験できるような場となったように思う。

Project  :  Naoki Ishikawa “STREETS ARE MINE” Exhibition
Program  :  Exhibition
Type  :  Installation
Location  :  Tokyo, Japan
Year  :  2021
Status  :  Completed
Collaborators  : Naoki Ishikawa

Project Team  :  Takashi Suo

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